10年ぶりに自作PCをアップグレード

この度、自宅のデスクトップPCを10年ぶりにアップグレードしたので記録します。
さすがに10年の性能進化は著しく、快適になりました。

10年使えた PCプラットフォーム

自宅のデスクトップPCですが、2012年9月にアップグレードしたスペックで長らく利用しておりました。
Ivy Bridgeおじさんを名乗っていたわけです。

CPUにはCore™ i7-3770Tを採用し、4コア8スレッドのCPUながらTDP45Wの低消費電力で、省電力かつ高性能なPCとして大活躍でした。

ASUSのP8Z77-Vマザーボードには、独自のオーバークロック管理用のTPUプロセッサや省エネ管理用のEPUプロセッサーが搭載されておりクロック倍率を自動調整します。
3770Tとの組み合わせではCPU通常の可変範囲である25~37倍速を16倍速~40倍速へ拡張できるため、通常は省電力で動作しながら、いざとなれば4GHz超で動作してくれる素晴らしい組み合わせでした。

その後、起動ドライブにSSDを採用し体感速度の向上をしたり、HDDをアップグレードしたりと補強はしておりましたが、10年以上も安定して利用することができました。


このスペックで現在でもWindows10での通常利用には全く問題ありませんでした。
一昔の常識では10年使うとか信じられなかった訳ですが、良い時代になりました。

しかし重めのアプリの起動が遅くイライラしたり、(TPM 2.0非搭載のため) Windows11へのアップグレードは不可ということもあり、利用10年経過を機にアップグレードすることにしました。

パーツ選定

今回購入した主なパーツはこれら。

  • CPU : Intel Core i5-13600K
    今回も長く使うことを考慮し、コスパとバランスで選びました。
    Intel 12世代が登場した際にも購入を検討しましたが、私の用途ではワットパフォーマンス重視で12世代のi5ではもう少しEコア重視の構成の方が望ましいと感じ見送っておりました。
    その後登場したIntel 13世代のi5-13600KではEコアが増量され、希望を満たしたため選定した次第です。オーバークロックをしないため更に下位グレードでも良かったのですが、下位グレードでは旧世代のコアが流用されており性能差があるため、13600Kとしました。
  • マザーボード : ASUS PRIME H770-PLUS D4
    オーバークロックはしないものの、拡張性を考慮しチップセットはH770を選定。
    (今までがZ77、今度はH770と77繋がりなのは偶然ですが運命を感じますww)
    そしてASUSマザーの印象が良かったので、今回もASUS。
    Intel 13世代ではメモリにDDR5とDDR4の両方が使えますが、本品はDDR4対応です。
  • メモリ : CFD Selection W4U3200CM-16GR (DDR4-3200 16GBx2)
    前世代がDDR3のため購入するならDDR5でも良かったのですが、マザーボードがDDR4対応のため選定。
    将来的に64GB(16GBx4)とすることを想定し、32GBとしました。
    その他は特に要件が無かったため、価格で選定(特価品で安かったです)
  • M.2 SSD : Western Digital WD Blue SN570 WDS200T3B0C (2TB)
    こちらも特価品が購入できたので、予定の1TBから急遽倍増。
    WDのSSDは初購入ですが、WDのHDDはBlue/Redとも愛用しており大きなトラブルに見舞われたこともなく安心感があるので選定。
  • CPUクーラー : DeepCool AK500
    CPUがK付きモデルということでリテールのCPUクーラーは付属せず。とはいえ、冷却性能と静音性を考えれば社外クーラーを買う必要がありますよね。
    最近のCPUクーラーには明るくなく特に要件は無かったものの、店員のお勧めで購入。
    ケースへの収まりも良く、バッチリでした(後述)

載せ替えの記録

今回はコスト削減等の判断から、既存ケースへの載せ替えを行いました。
未だに5インチベイや3.5インチベイが多数搭載されているのは古めかしいかもしれませんが、お気に入りなので。

他にも多数記事があると思いますので、ここでは簡単に書きます。

作業前の状態。トップフロー型のCPUクーラー(COOLER MASTER 風神鍛)の12cmファンが目立ってますね。
静音ながら十分な冷却性能があり大変良かったです。

マザーボード一式を綺麗に取り外します。

新マザーにCPU、メモリ、M.2SSDを取り付けます。
(メモリもこの時点で取り付けた方が、適切に力をかけることができ良いですね)

新マザーを取り付け、各種配線を行います。

旧式ケースのため、難儀するところがあるかなと思っていたのですが何の問題も無く拍子抜けです。
また思いの外、収まりよく取り付けることができ、大満足です。

選定したパーツの感想

メモリとSSDは評価できるだけの知見はないので、それ以外の感想を書いておきます。

CPU : Intel Core i5-13600K

各種Webサイトで公開されているのベンチマーク値では、i7-3770(K)と比較するとシングル性能で約2.5倍、マルチ性能で6倍の進化を遂げているとあります。

CPU性能比較表 | 最新から定番のCPUまで簡単に比較
CPUの比較を簡単に!最新から定番まで400を超えるCPUからIntel/Ryzen/世代/ノート用等で絞り込み。ベンチマークやコスパを比較。スコアの目安も。

あまりゲームは行わない私ですが、ここまでの性能向上ですと通常利用でもサックサクの体感になり快適です。

意外だったのが、テレワーク(SSL-VPN経由のVDI – VMware Horizon)でもレスポンスが向上したこと。
どちらかと言えば回線帯域やネットワークの遅延がボトルネックだと考えていたので、クライアントPCのアップグレードで性能向上は図れるのですね。シングル性能の向上が奏功しているのでしょう。

私のユースケースではマルチコア性能の恩恵に預かれることは稀でしょうが、長く使えそうです。

マザーボード : ASUS PRIME H770-PLUS D4

今まで利用していたマザーボード(P8Z77-V)では、BIOSのバグに遭遇したり

Intel82579V 休止状態復旧後にNIC消失
私のデスクトップPCのマザーボード(ASUS P8Z77-V PRO)にはIntel® 82579VチップによるGigabit Ethernetがありますが、休止状態から復旧した際にNICが消失するトラブルが発生していました。 既に発売から...

PCIeカードを挿す位置によって動作しなかったりと、癖に悩まされたこともありました。
それと比較すれば、素直で良いと感じています。

バックパネルのUSB Type-Aポートは7つと多く助かります。(早速6つ挿してます)
またType-C端子もバックパネルに1つありますが、本製品にはオンボードのUSB 3.2 Type-C端子がありません。
(下位チップセットのPRIME B760-PLUS D4にはあるのに・・・)

いずれフロントベイにType-Cポートを出して、ノートPC用のType-C USBハブで拡張を検討していたので残念です。
よく調べずに買ってしまったのもありますが、USB 3.2 Gen 1ヘッダーからの変換アダプタも販売されているので、これで対処したいと思います。

次にBIOS更新もUSBメモリに書き込んだファームウェア経由でスムーズでした。
ただしその際、一部設定がクリアされてしまったのが気になりました。

以上のように、細かく気になった点はあるものの、それ以外は満足です。
こちらも長く使えそうです。

CPUクーラー : DeepCool AK500

私としては特に希望が無く、以前のCPUクーラーと同様なものが良いかなと思っておりました。
大きめのヒートシンクと大型のファンで、低回転でもそれなりに冷える空冷CPUクーラーで静音性も担保したいと。

そういう要件ながら店員のお勧めで選定したAK500ですが、大満足です。
今までのトップフロー型からサイドフロー型に替わりましたが、結果として吸気ファン・排気ファンと連携したエアフローになるので良いと思っています。

メモリには風が当たらなくなったような気もしますが、DDR4では大丈夫ですかね。
メモリのオーバークロックもチューニングは可能ですが。当面控えておこうと思います。

発生した問題と対処

今回の載せ替えは非常に順調でしたが、それでも幾つかはまりどころがありました。
参考までにメモしておきます。

SATA-IDE変換アダプタ経由でデバイス(MO)が認識しない

SATAにはAHCIモードとIDEモードが存在するが、IDEモードは既に廃止されている模様。
そのためSATA-IDE変換アダプタ経由でも認識できない模様(おそらく)

センチュリーのIDE増設カードを別途購入し回避

ポートを増やしタイ IDE内部1ポート PCI Express x1接続 インターフェイスカード Ver.2
PCI-eスロット搭載のPCにIDEポートを増設できるインターフェイスカード

デジタルTVチューナー(PT3)が正常に動かない

BIOS設定で「4G以上のデコーディング(Above 4G Decoding)」を無効化することで対処。

全画面表示後など、時折不安定ににある

BIOSとnVidiaディスプレイドライバを最新版に更新することで解決
(nVidiaドライバはOS標準のものはイマイチ)

 

逆に言えばこの程度のトラブルシュートで解決したのはラッキーでしたね。

まとめ

さて、10年振りのアップグレードは大満足でしたね。
このプラットフォームも今後10年を目指して大事に扱っていければと思います。

但し10年前と比較してCPU・マザーボードとも値段が上がっており、約1.6倍となっておりました。
これは色々な要因が重なっているため、メーカーに苦言を呈するのは筋違いかとは思います。

自分の経験も踏まえると、自作PCはインフラエンジニアを志す第一歩的なところもあるんですよね。
裾野が広がってくれることを切に願っています。

最後は話が逸れてしましましたが、今回のご報告は以上です。

コメント