2017/8/9に納品されたGPD Pocket、今や毎日持ち運び外出時に欠かせない相棒となっています。今まで使用している中で気付いた良い点、気になる点をまとめます。
気に入っていること
サイズとデザイン
私が保有していた往年のモバイルPCと並べてみました。
驚くことにGPD Pocketは、この中で一番小型(※1)・軽量ながら最もキーピッチが広くなっています。
液晶画面のサイズもLibretto U100の7.2インチに次ぐ大きさを確保しており、解像度は最も高いです。
これを技術の進歩と片付けるのは簡単ですが、要するにGPDは往年のモバイルPCをよく研究して企画していることがわかります。
またMac Book譲り?のアルミニウム筐体は剛性が高く、外出先での利用時に安心感をも足さしてくれるとともに、所有欲を存分にかき立ててくれるものとなっています。
※1 幅はPT110の方が狭いですが、薄いので体積ではGPD Pocketの方が約4割小さいです。
その機動力
私は、モバイルPCだけにあらずガジェットの価値は、以下で表されると考えています。
利用できるシチュエーション × Σ(そのガジェットでできること × 得られる経験)
つまり、基本的には携帯性(利用できるシチュエーション)と、利用ユースの幅広さがそのデバイスの価値につながるという訳です。例えばスマートフォンは携帯性に優れるもののできることには限りがあるように。(※2)
GPD Pocketは携帯性が優れるにもかかわらず、Windows10 PC、なおかつメモリ容量・ストレージ容量が大きいですから、結構な作業が可能であり「こんなこともできる!」と夢が拡がります。かなりの高得点を得られるガジェットだと言えます。
※2 最近の若い方はスマホで論文を書いたりするらしいので、あながちそうとも言えないようですね。人によって評価は変わるかと思います。
液晶画面が綺麗、またWUXGA解像度である
きっと初めてGPD Pocketを見た方は、液晶画面の綺麗さに驚くかと思います。
聞くところによると、ジャパンディスプレイ(JDI)製だそうで、なるほど・・・という感じでしょうか。
また、個人的には解像度がフルHD(1920×1080)ではなく、WUXGA(1920×1200)なのが大きくポイントアップしている感じです。この120ラインの違いはPCとしての使い勝手に大きく貢献しているかと思います。
気になること
但しいい点ばかりではなく、一部気になる点がありました。
ここで以下にまとめておきます。
WiFi受信レベル低下時に極端に速度低下する
内部ノイズが原因でしょうか、Wi-Fi受信レベルが低い際に通信速度が極端に落ちます。
ドライバ更新により改善はしますが、遅い状態には変わりが無いようです。
私はやむなく自宅のWi-Fi環境を改善させ回避しました。
バッテリー容量の誤認識、及びそれに関連する残利用時間の誤差がある
充電中に利用していると、バッテリーの総容量が徐々に増えていく現象が発生します。
そのため、OS標準機能やBattery Barを利用しても残駆動時間の表示に誤差が発生します。
ぜひ次期BIOSでは解決をお願いしたい点になります。
ファン音が気になることがある(充電中も回る)
CPU負荷が高まった際に、空冷ファンの回転数が上がり動作音が発生します。
但し外出中の利用ではそれほど気にならず、家庭内や静かな会議室など利用した際に気になる程度かと思います。(あくまで主観)
また、(スリープ中を除く)充電中にもファンが回る仕様にはかなり驚きました。
これは小型モバイルPCの宿命で、後期のLibretto(ff,U100)でも耳障りなファン回転音が発生していました。むしろ放熱に関してはGPD Pocketはかなり苦労した跡がうかがえるので文句は言えません。
気になる方にはCPU動作スピードを制限するなどしてCPU温度を下げるように設定することが望ましいかと思います。
休止状態から復帰時にCPU負荷が高い
休止状態から復旧した際、時折SYSTEMのCPU負荷が30%前後に張り付き、下がらない現象が発生します。結果として無駄にバッテリーを消耗してしまいます。
私は休止状態での運用を行っているので、私が常用するにあたって一番厄介な問題です。
どうやらドライバ周りが無限ループに陥っているのではと考えていますが、根本原因にはたどり着いていません。私は現象が発生した際にはおとなしく再起動する運用で対処しています。
満充電時には給電が止まり放電モードになる
これも厄介な問題で、満充電となると放電モードとなり、電源を接続しているにもかかわらずバッテリー容量が若干減り始めます。しばらくすると又充電を再開する動作になります。
そのため、例えばバックアップイメージの取得など長時間放置が必要な作業をしている際に、スリープ移行を無効に設定していないとスリープになってしまうという状況が発生します。
これも改善をお願いしたい事項です。
ハードウェア機能が一部不足している
外出時に利用することから、GPSセンサーは欲しかったかな、という感想です。
また、外出時の認証のため指紋認証リーダはできれば内蔵して欲しかったです。
ストレージ追加のためにmicroSDスロットも欲しいですよね。
LTEユニットもあればベストですが・・・これは流石に各国のLTE周波数帯に適合させることが大変かと思いますのでなかなか厳しいでしょう。
総括
以上、現時点で感じている感想を一通りまとめました。
一部気になる点もありますが、私が採点を付けるとすれば、80点くらいかな、という高得点をあげることができる製品かと思ってます。
最後に、このような尖った製品が日本メーカから登場しなくなったのが残念ですね。
いつの間にかアジアのメーカに追い越されてしまった感があります。
日本メーカの再奮起を期待して、締めたいと思います。
コメント
[…] 私は以前の記事にて、GPDは往年のモバイルPCをよく研究して企画していると書きましたが、改めて21年前の記事と見比べて改めて感じました。 […]