私が保有しているLibretto U100(スペック)、2005年のモデルとなります。
大注目を集めたPC、という訳ではありませんでしたが、今から考えると当時の技術の粋を集めた良機だったのではないかと考えています。
とはいえ徐々に出番は減り、私の端末も2010年頃からお蔵入りしておりました。
ただLEDバックライトのお陰か、今でも液晶画面は綺麗に点灯する状態でハードウェアとして不具合はない状態。軽量OSを入れて利用できないかと考えました。
さて、現役復帰させることはできるでしょうか。
はじめに
このPCのCPUはインテルの超低電圧版 Pentium® M 733(1.10GHz)というもの。
64bit対応ではありませんので、32bit(x86)のOSを入れる必要があります。
(当時は64bit CPUがサーバ用途で出始めた頃だったような・・・)
メモリは増設済ながら1GBという状況。最新OSの動作には大変厳しいです。
ちなみにWindows10 x86はギリギリ動作要件に足りていそうでしたが、無理でした(インストーラの途中で落ちてしまいました)
また、このPCは当時としては沢山のデバイスが内蔵されていて、WiFi/Bluetooth/SDカードスロット/指紋認証/DVDドッグ 等があります。これらもできる限り殺さずに使いたいです。
秘密兵器
このPCは1.8インチのHDDを搭載しており、インタフェースが東芝型ZIFインタフェースということもあり換装できる互換品がなかなか登場しなかったのです。
それでもやっと登場したのがこのSSD、PhotoFastのGM18M64E50IDEV4となります。
これでディスクI/Oを高速化してみます。
インストール結果
本記事では細かい手順の紹介は割愛させていただきます。
ubuntu 14.04
Linuxでデスクトップということで、ubuntuはどうかな、と思い試してみました。
但し最新のubuntu 16や17は既に32bit版の提供は終了しているため、32bit版最後であるubuntu 14.04をDVDメディアからインストールしてみました。
結果、問題なくインストールは終了しWi-Fiも認識し動作はしました。
但し、遅すぎる。。。アニメーションが多いせいか画面切り替えがジワジワ変わる状態で、これは厳しい。(チューニングで改善するかもしれないけど)
ということで次。
CentOS 7
続いてサーバ用途には定番、私も自宅サーバに利用しているCentOSをインストールしてみました。こちらも最新のv7は32bit版の公式提供は終了しているのですが、有志で32bit版の提供が継続されています。
インストールにはDVDメディアを利用し、最小インストールした後にGUI環境(KDE Plasma Workspaces)をインストールしました。
# yum -y groups install "KDE Plasma Workspaces"
結果、動作はしました。
ubuntu 14.04のような遅さは特になく、常用できるかもしれない、といった印象です。
但しWi-Fiが認識しませんでした。
このPCのWi-FiチップはAtheros CommunicationsのAR5212というチップですが、既にドライバの提供が終了しているようで挫折しました。
有線LANは使えますので、サーバ目的の常用ならいけるかもしれませんが、CentOS7(32bit)に対応する外部リポジトリが無いため、OS標準のパッケージ内に限られそれ以外はソースからコンパイルする必要に迫られますので、なかなか厳しい印象ではあります。
サポート期限は短いですが32bitの正式提供があるCentOS6の方が良かったかもしれません。
Chromium OS
ネットトップ用途に活用するため、Chromium OSも試してみました。
USBメディアからブートしてみましたが、「Booting the Kernel」から進まず起動しませんでした。
残念。
Raspberry Pi Desktop
Raspbian OSはRaspberry Pi向けが有名ですが、x86 PCで動作する Raspberry Pi Desktop OSが提供されていますので、これを試してみます。
ダウンロードしたISOファイルをUSBメディアに書き込み起動しました。
USBメディアからそのままブートして利用することが可能です。
本来であればUSBメモリから起動後に本体側にインストールも可能なはずなのですが、フォーマットの際にエラーになり正規の方法ではインストールはできませんでした。
やむなくPIXELのインストール方法でUSBの内容をコピーし
# dd if=/dev/sdb of=/dev/sda bs=512k
本体側からも問題なく起動しました(パーティションサイズは選べないですが)
Wi-FiやBluetooth、何とSDカードスロットも利用可能で、デバイスの認識は問題なさそうです。
ブラウザも使えますし、開発ツールが多く備わっているので、開発用の端末としては用途が見つかるかもしれない印象です。
まとめ:12年の歳月は大きかった
Libretto U100を復活させようと考えたのは「古いものを大事に」との気持ちからでしたが、結論としては Raspberry Pi DesktopやCentOSであれば何とか使える、程度でした。
やはり12年ものの間のハードウェアの進歩は無視できないようで、GPD Pocketの凄さが身にしみてわかりました。Libretto U100の約半分のフットプリントのサイズでCPUスペック約9倍(※クロックxコア)、そしてWindows10やubuntuがストレス無く動くのですから・・・
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