私が考える「ディベロッパージャーニー」について

今回はテクニカルな話題ではなく、完全にコラムネタですがご了承ください。
SORACOM MVC 2021を受賞されました木村さんのブログ記事にて

SORACOM UG夜のもくもく会について
運営メンバーの木澤さんが、このスキームを社内の勉強会に持ち込みたいと相談いただいたのもその頃だったと記憶しています。

とご紹介いただきましたので、これはフリかもしれない と乗っかることにしますw

SORACOM User Group運営に携わっている視点で、私のSORACOM UGへの経験や現状への理解、そしてそれをどう自社内のコミュニティに活かしているのか、詳細を語ろうと思います。

SORACOM UGに参加した経緯

私はもともと通信系の技術に興味があり、SORACOMのサービスは開始直後の2015年11月より利用しております。また、その直後の2015年12月11日に開催された SORACOM UG #0へ参加したことは私の人生を変えたターニングポイントだと思っています

ソラコムによって通信の世界にクラウド流の考え方を持ち込むこと、またIoTでハードウェアの世界とクラウドの世界が融合する世界観に感銘を受けたことを記憶しています。
また、玉川社長を含め尊敬していたソラコムの中の人とフレンドリーに会話できる、User Groupというこんなすばらしい世界があるのかと感動したのでした。

但し、その後のイベントには参加はしていたものの SORACOM UGに巻き込まれた訳ではありませんでした。
一人(ボッチ)で参加していたこともあり、周囲との交流はなかなかできなかったというのが理由です。

SORACOM UGに巻き込まれた経緯

さて、そんな私にも転機が訪れます。
それは「SIMを持っているだけでなかなか活用できていない」と課題感を感じて2018年1月に ソラコム主催のWioLTEのハンズオンに参加したこと
初めてのマイコン開発でしたが、簡単にセンサーデータをSORACOMプラットフォームで可視化することができ感動したわけです。

たまたまその直後、仕事上として舞い込んだ案件への営業対応としてAWS IoT Coreを交えたプロトタイピング開発を行い知見を蓄えることができました。(余談:本件はあいにく受注には至らなかったのですが、その後AWSの事例になったメジャーな案件となります)

この辺りの知見は以下記事にてアウトプットしています。

WioLTEでAWS IoT Coreのデバイスシャドウを利用する
クラウドと連携したIoTの仕組みを簡単に開発できる優れものであるWioLTEを購入し学習を進めています。 今回はAWS IoTのデバイスシャドウを用いてLED発光色のステータスを管理する仕組みを作りました。

また、並行して社内のハッカソンイベント(報告会)にてGoogle Homeを用いた開発方法を学んだことをヒントに、Google Homeとソラコムサービスを組み合わせたアイディアを発表したところ、ソラコムのMAXに捕捉されてイベントでのLT発表をご依頼いただいたという経緯でした。

音声でSORACOM SIMの状態を変更する
スマートスピーカーのGoogle Home(Mini)を購入しました。 クラウドと連携させ、SORACOM SIMの回線状態を音声で変更するアプリケーションを作成してみました。
音声でWioLTEのLED発光色を変更する
Google Homeからの音声操作でWioLTEのLEDの発光色を変更してみます。 (SORACOM UG #10 LT発表内容)

清水の舞台から飛び降りる覚悟で(笑 登壇したところ、その後見える景色が大きく変わりました
発表内容をもとに他の参加者やソラコムの中の人とも交流できるようになったことが大きな進展でした。
自身がアウトプットした内容は、名刺代わりになると思ったのでした。

その後2019年から運営に参画し今に至るといった経緯となります。
振り返れば「会議脱出ボタン」の記事をきっかけにハンズオン講師として上田で開催されたイベントにご招待いただいたこと。その後の自信がついたイベントとなったのでした。信州まで行って良かった。

SORACOM UG 信州 x JAWS-UG Nagano x TwilioJP-UG 共催ハンズオンイベント参加レポート - SORACOM公式ブログ
全国を回っております、ソラコム "Max" 松下です。 先日(3/30 土)は長野/上田で開催されたSORACOM UG 信州 x JAWS-UG Nagano x TwilioJP-UG 共催ハンズオン にお邪魔してお


コロナ禍におけるSORACOM UG運営

昨年末にも振り返りましたが、コロナ禍においてイベント運営スタイルはオンライン形式に大きく様変わりしました。私が運営に参画していた東京支部も 2020年2月の #14を以てオフライン開催は中断し、#15はYouTube配信形式での開催となりました

本イベントは東京支部のイベントにも関わらず、全国から非常にたくさんの参加をいただくことができました。
コロナ禍の終息も見通せない中、全国の運営スタッフが一致団結してオンラインイベントを開催しようと呼びかけ立ち上げたのが、SORACOM UG Onlineとなります。

2020年9月に#1を開催、2021年8月までに7回イベントが開催されています。

オンライン開催における課題とSORACOM UGの解決策

オンライン開催にうまく舵が切れたと思うSORACOM UGなのですが、徐々に課題感を感じるようになります。

  • 「登壇者」と「聴講者」に参加者層が分かれてしまって交流が生まれにくい(コミュニティっぽくない)
  • 新しい参加者の巻き込みが難しい
  • 新しい登壇者・運営担当者への巻き込みが難しい

この課題への解決については未だに試行錯誤を繰り返している状況ではありますが、SORACOM UG Onlineではイベント後の懇親会に残りやすいよう、一部の大型イベントを除きYouTube配信ではなくZoomミーティングでの開催にすることや、運営からガヤ枠での参加を行い盛り上げることなど行っております。

また SORACOM UGで特筆すべき点は、木村さんのブログでも記載されている通り、藤田さんが立ち上げた「ビギナーズ」、木村さんが立ち上げた「もくもく会」、性格が異なるイベントが連携し参加者に「次のステップ」を提供していることにあります。

  1. SORACOM UG ビギナーズ → はじめてIoTを触る方に感動と簡単さを伝える
  2. SORACOM UG もくもく会 → 手を動かして学ぶ場を提供
  3. SORACOM UG Online → 発表の場を提供

他のコミュニティの状況は把握しておりませんが、オンラインイベントにおいてここまで連携して対応できていることは誇れるのではないか、と考えています。

社内コミュニティイベントへの反映

さて、ここからは私が所属する会社内でのコミュニティの話に移ります。

私は2017年より年4回程度、自社内での勉強会を定期的に開催し、過去十数回開催しております。元々は部署内のクローズドな勉強会を、「良いことを話しているのだから全社イベントにしよう」と企画し枠を広げたものとなっています。また、こちらも2020年度からはオンラインイベントとなっています。

こちらの運営においても最近課題感を感じることが増えました。
それは「セミナー形式のイベントだけではエンジニア育成には繋がっていないのでは?」ということ。

ここで私のSORACOM UGで体験した上記の経験を踏まえ、セミナーで話を聞いた後には手を動かして身につける。またアウトプットする過程で知識を整理することが大事ではないか。その場を提供するのが自身の役目なのではないかと思うようになりました。これをディベロッパージャーニーと自社内では宣言しています。

上記の経緯からエンジニアブログは立ち上げたものの、「手を動かして身につける」箇所は立ち上げに悩むことになります。それはコミュニティ活動は所詮「課外活動」であり、ハンズオンマニュアルの作成など業務に支障を与えるほど大きな工数を割くことはできない、ということ。

そこで SORACOM UG もくもく会のやり方にヒントを得ることができました
運営は極力省力化、参加者のやる気に任せ運営はサポートに徹する
省力化できているので、定期的に開催できる

それが、木村さんのブログに掲載されている件の詳細という訳です。
(木村さん、ありがとうございました)

運営メンバーの木澤さんが、このスキームを社内の勉強会に持ち込みたいと相談いただいたのもその頃だったと記憶しています。

ということで、前置きが長くなりましたがAWSに関するもくもく会を立ち上げ、自社内で運営しています。
お陰様で最近は徐々に認知が広がってきたようで、意識高い新人社員なども参加しており嬉しいです。

ここ数年に入社した若手社員が大変優秀であることに驚いていますが、SIerは規模も大きいので、どうしても自分のやりたいことができる部署に配属されるとは限りません。普段業務では扱わないけどAWSに興味ある・触ってスキルアップしたい、という層へのサポートを行い、モチベーションを高めスキルアップへ貢献できればと考えております。

今後において期待に応えられるかどうかは未知数ですが、引き続き頑張りたいと思います。
また、これらの活動において自社内の意識改革につながる一助になればよいなと考えております。

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